フィールドワーク
月日 | テーマ | 場所 |
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2010年9月7日(火) | 銀座ミツバチプロジェクトと 大丸有エコッツェリアを訪ねる |
東京都中央区・千代田区 |
今回のフィールドワークは、循環研エココミュニティワークショップが地元中央区のエココミュニティ化・低炭素化の提言活動に取り組んでいることから、先進的な都市型のエココミュニティづくりの現場2つを訪問しました。 はじめに、中央区銀座で行われている「銀座ミツバチプロジェクト」。2006年春、銀座の周辺で働く有志たちが集まり、ビルの屋上でミツバチを飼うことか らスタート。ミツバチの飼育を通して、都市と自然環境との共生をめざしています。採れた蜂蜜は、銀座の技としてバーやスイーツ店、デパートなどで次々に商 品となり話題となっています。 次に、東京駅を中心とする大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアでは「1000年先まで、いきいきとしたまちでありたい」を環境ビジョンに掲げており、 それを推進する環境共生型まちづくりの実働部隊として、2007年6月エコッツェリア協会を設立。同協会が運営する施設「エコッツェリア」は、環境に関わ る「ヒト・モノ・コト・情報」の交流スペースとして、新丸の内ビル10階に設置された環境戦略拠点です。 今回、この2つの現場を見学させていただくとともに、活動の経緯、内容、仕組み等についてお話をうかがい、エココミュニティづくりのヒントを共有できました。 以下、ご報告です。下記のホームページもご参考下さい。 → 銀座ミツバチプロジェクト → エコッツェリア 【集合】 【参加費】 ■プログラム |
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▼報告 ●「NPO法人銀座ミツバチプロジェクト」(13:30~15:40) |
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▲始めに、田中氏より銀座ミツバチプロジェクトの経緯等について拝聴。 | ▲実際に屋上へ行き、ミツバチの巣箱などを見学。 | ▲西洋ミツバチの巣箱。風除けのフェンスで守られていました。 |
▲こちらは日本ミツバチの巣箱。同じ屋上の西洋ミツバチと離れた場所にありました。 | ▲屋上からの景色。実際にミツバチがこのビル群の間を飛び交っているようです。 | ▲見学中もミツバチは私たちの周りを飛び交っていましたが、攻撃されることもなく、何の支障もありませんでした。 |
●「一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(通称:エコッツェリア協会)」(16:00~18:45) 新丸の内ビル10Fにある大丸有地区環境戦略拠点「エコッツェリア」にて、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(通称:エコッツェリア協会)の事務局次長である近江 哲也氏からお話を伺いました。 大丸有地区とは、「大手町」「丸の内」「有楽町」のこと。この地区は、国内外の有力企業が集まり、地権者が自らまちづくりを考えています。1988年大丸 有地区の再開発を目的に地権者等により組織された団体「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」が発足。「NPO法人大丸有エリアマネジメント 協会(リガーレ)」等の活動を通じて培われたエリア内の企業との協力関係をもとに、2007年5月に設立されたのがエコッツェリア協会です。 エコッツェリア協会は、環境ビジョンを実施していくための実働部隊として、サステナビリティコミュニケーションの実現に向けて取り組んでいるそうです。 エコッツェリア協会の活動内容等は、同じ協会が発行しているCSRレポートをご参照ください。ちなみに、ここで言っている「CSR」とは 「Community Social Responsibility」なんだそうです。(所謂「CSR」は「Corporate Social Responsibility」)⇒ 大丸有CSRレポート2010「1000年続くまちへ。」 オフィス内も案内していただきました。オフィスには、「ハイブリッド型天井輻射空調システム」と「LEDタスク&アンビエント照明システム」が導入されており、実際にどのようなものなのか説明していただきました。 ハイブリッド型天井輻射空調システムとは、一般的な送風による空調ではなく「輻射」を利用した、天井等に張り巡らせたホースを循環する水の熱と室温の交換 によって部屋全体の温度を調整する空調システム。また、LEDタスク&アンビエント照明システムは、天井のアンビエント照明と、机上で個別調整するタスク 照明を併用した照明システム。 この2つのシステムの複合効果によって、省エネルギー効果とさらには、個々人で快適な環境を調整することができ、「集中」「リラックス」等の知的生産性要因が向上するであろうと言われているそうです。 次に、「クロックマップ」で丸の内周辺の歴史・文化的、地政学的等の様々な情報を映像で見せていただきました。「家にあったらおもしろいのに~」という感想が出てくるぐらい、とてもおもしろいユビキタスミュージアムでした。 次に、「触れる地球」。触れる地球とは、地球レベルでの様々な気象変化、海流等を自分で操作しながら見られるデジタル地球儀です。これは、本当に興味深いものでした。大江氏からは、「合意形成を図ることが一番大切であり、そしてそれが一番大変なこと。『箱』づくりからではなく、まずは『コミュ ニティ(組織)づくり』から始めた方がよいのでは」というアドバイスをいただきました。エコッツェリア協会自体も、1988年大手町・丸の内・有楽町地区 再開発計画推進協議会発足から約20年の歴史があり、ここ5年ぐらいでようやくスムーズに活動できるようになったとのことでした。 |
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▲大丸有地区環境戦略拠点「エコッツェリア」。屋内とは思えない程、植物がたくさん生育していました。 | ▲まずは、エコッツェリア協会の経緯や活動についてお話を伺いました。 | ▲「次世代低炭素型技術実証オフィス」の見学。 |
▲旧・新丸ビルで使われていたマテリアルを再利用してイスや机に作り変えた物がたくさん置かれていました。 | ▲「クロックマップ」時間軸による歴史・文化的、地政学的な知見等と重ね合わせたマルチタッチディスプレイ。 | ▲「触れる地球」地球シミュレータのデータや、地球規模の海流や気象変化等をリアルタイムに表示できる、両手で操作可能なデジタル地球儀。 |
最後に、「NPO法人銀座ミツバチプロジェクト」の高安氏、田中氏、「エコッツェリア協会」の大江氏、いろいろと詳しくご説明いただき、貴重なお時間を本当にありがとうございました。
文責:大澤 由紀子 |
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